【検証:スポットクーラーでサーバールームを冷やす】

今年の夏も猛暑日が続きました。
猛暑日に突然のエアコン故障。

家のエアコンが壊れても大変な事態ですが、
一刻を争うのがサーバールームのエアコン故障です。

機械の温度が上がってサーバーが故障する。
そんな最悪な事態が起こる可能性も出てきます。

そんな時に緊急の対策として手軽に使えるスポットクーラー
エアコンの代わりにサーバールームを冷やす事が出来るのか
検証をしてみました。

目次

検証環境について

環境

検証日:2020年9月11日(金)
検証時間:13時スタート
検証場所:群馬県前橋市 倉庫内の小部屋
窓の位置:南西に窓1ケ所(外側)北東に窓1ケ所(建物内側)
部屋の広さ:5.4㎡(約3.5畳)

検証場所の群馬県前橋市は毎年猛暑日が多い場所です。
山が沢山あって涼しそうなイメージですが毎年暑いです。

なぜこんなに暑いのか少し調べてみました。

群馬県のある関東の内陸部は暑さが厳しい地域が多いです。
ヒートアイランド現象により東京圏で暖められた空気が
南東の風で流れ込み
半盆地の山で押しとどめられる。

そんな原因で猛暑日になる日が多いようです。
今年(2020年)夏の最高気温ランキングでも
トップ10に入っていました。

 

9月に入ってからも30℃を超える日が多く、
検証日は予想最高気温33.2℃でした。

そんな群馬県前橋市の会社倉庫にある小部屋に
サーバールームを再現して検証を開始しました。

使用品

スポットクーラー

・<100V>スポットクーラー単相自動首振り(排熱ダクト付)【ひんやり君】✕2台

※スポットクーラーは業務用のスポットクーラーを使用します。
レンタルで人気の家庭用の電源ですぐに使えるタイプを準備しました。

この業務用スポットクーラーは冷房能力60Hz/2.5Kw・50Hz/2.2Kwのハイパワータイプです。

スポットクーラーは様々な種類が販売されていますが、
大きく分けると家庭用業務用のタイプがあります。

家庭用はテーブルの上にのせて使用する小さなタイプや
空気清浄機くらいの大きさなど様々なタイプがあります。

手軽に使えてインテリアに馴染むデザインが多いようです。
しかし業務用に比べると冷房能力が低い商品が多いようです。

業務用のタイプは今回使用するようなタイプと大型のタイプがあり、
大型の商品は冷房能力が一般の業務用スポットクーラーより7倍くらいの能力の商品もありますが、
配送トラックから降ろす場合にフォークリフトを使用するような重量300kg超えの商品もあります。

今回は移動も簡単に出来る業務用の一般的なタイプを使用しました。

真夏日の部屋の温度

倉庫内の小部屋にPC12台を設置し、
小さな(5.4㎡)サーバールームを再現しました。

スタート時の外気温は34.7℃サーバールームの気温は37.4℃です。
午前中に機械を設置し起動させて数時間。

小部屋ですが窓が2ケ所あり日差しも入り込む環境です。
部屋の温度も外よりも高くなってきました。

※通常サーバールームを日差しが差し込む場所には、
作らないでしょうが、温度があがる環境を作るために
この部屋を選びました。

機械も熱を持った状態になりこれ以上部屋の温度が上がると
機械の故障も考えられるような危険な状態です。


スポットクーラー稼働してみた

設置に必要な3つのポイント

今回は業務用スポットクーラーのレンタルで人気の
<100V>スポットクーラー単相自動首振り(排熱ダクト付)【ひんやり君】を使用しました。

業務用スポットクーラーはキャスター付きで移動も簡単に出来て
好きな場所ですぐに利用が出来る商品なのでとても便利ですが、
設置する際のポイントがあります。

購入・レンタル前に確認をしておきましょう。

【1つ目のポイント設置する場所】

今回は冷やしたい部屋が小さな(5.4㎡)約3.5畳の部屋です。
部屋の中ではなく外(倉庫内)にスポットクーラーを設置し、
冷風を部屋の中に入れる方法で検証をする事にしました。

部屋の大きさや部屋の中の備品位置などによって、
部屋に置くことが出来ない場合もありますので、
事前にサイズの確認をして設置する場所を決めましょう。

【2つ目のポイント電源の確保】

設置場所が決まったら、どのコンセントから電源を取るのか考えます。
必要な場合は延長コードの準備が必要です。

今回は単相100Vのスポットクーラーで、
一般的な100Vコンセントで利用可能です。

しかし、業務用のスポットクーラーにはコンセントの工事が必要な
三相200Vの商品もありますので準備をする際には確認が必要です。

※200vのコード先ソケット部分は企画が統一されていないため
下の写真のようなコードむき出しの状態の商品もあります。

三相200Vの電源の場合、最初の工事は必要ですが電気代が安いので、
今回利用する100Vのスポットクーラーと同タイプの200V商品の電気代は、
メーカーの試算では1時間あたり200Vの方が10.9円安い料金となっていました。

長期で利用する場合、初期の工事費と月々のランニングコストを考えて、
商品を決める必要があります。

今回のように一般的な単相100Vの商品を選んだ場合は、
室内であればコンセントの無い部屋はあまり無いと思いますので、

設置場所を事前に考えどのコンセントを使用するのか。
延長コードは必要なのかを考える事が重要なポイントです。

【3つ目のポイントダクト問題

今回はスポットクーラー本体は部屋の外に設置をし、
建物内側の窓に手作りのダンボール製の簡易パネルを取り付け

簡易パネル穴から冷風ダクトを部屋の中に入れて検証をしました。

今回は延長ダクトは使用せずに部屋に冷風ダクトを入れる事が出来ました。
しかし、窓の位置が高い場合や窓の近くにスポットクーラーの本体を置けない、
そんな時には延長冷風ダクトを使用して冷風を部屋の中に入れる場合もあります。

他にも、別のパターンとして部屋の中に本体を設置して利用する場合もあります。
部屋の中に本体を入れた場合は排熱の処理が必要になります。

スポットクーラーはエアコンと同じ仕組みで、
熱交換機がついており本体に熱い空気を取り込んで冷たい風を出してくれます。

エアコンと違う点は室内機と室外機が一体になっているところです。
室外機が無いのでいらない熱は機械の排熱ダクトから排出されます。

開放空間で利用する場合、排熱はあまり気にしなくても大丈夫ですが、
今回のように小さな部屋全体を冷やしたい場合には、
延長排熱ダクトを利用して排熱を室外に出した方が効率的に室内を冷やすことができます。

本体を部屋の中に入れる場合も、外に出す場合もどちらも
ダクトをどう出すか、入れるかを考えましょう。

短期間の利用の場合、ダクト用の穴を壁に空ける事も難しいと思いますので、
窓やドアから部屋の外に排熱延長ダクトを出して使用します。

スポットクーラーにはダクトを出すための専用のパネルがない場合が多いです。
ダンボールなどを利用して窓やドアの隙間を塞ぐパネルの自作もおすすめです。

隙間を塞ぐパネルなどがない場合、やはり温度がなかなか下がりません。
冷風を部屋の中に入れる場合も排熱を部屋の外に出す場合も同じです。
少しでも効率的に部屋を冷やしたい場合は、事前準備をおすすめします。

※写真のパネルは他の部屋で使用する際にドア用で作成したパネルです。

部屋の温度は下がるのか

まずは、スポットクーラーを1台稼働させて検証をしてみました。
開始時室内温度は37.4℃からスタートです。

稼働10分後に部屋の温度を確認すると35.9℃
稼働20分後の温度は34.5℃
稼働30分後の温度は32.6℃でした。

スポットクーラー稼働前より30分で4.8℃温度が下がりました。
まだ室内が暑いのでもう少し下がるか検証を続けてみました。

稼働40分後の温度は32.1℃
稼働50分後は31.8℃ 60分後は31.6℃になりましたので、
スタート時より5.8℃下がりました。

小部屋のある倉庫内の温度は開始時35.3℃と小部屋の温度より2.1℃低い温度でしたが、
60分後の温度は37.2℃と上がっていましたので、午後の気温の上がる時間帯の検証ですので、
部屋の温度はきちんと下げることができていました。

2台目を設置してみた

スポットクーラーをサーバールームに見立てた部屋で稼働をし、
猛暑日に部屋の温度は下がるのか。
スポットクーラーを1台稼働をし検証してみましたが、
温度は下がるものの快適な温度までは下がっていません。

スポットクーラーをもう1台追加して、2台でどこまで部屋の温度を
下げることが出来るか
検証をしてみます。

2台目稼働時の外気温は33.9℃でした。
少し風のある日でしたので、気温があがる時間帯の検証でしたが外気は少し下がっています。

風の入らない倉庫内の温度は37.2℃でした。
サーバールームを再現した部屋の温度は31.6℃からスタートです。

稼働10分後30.1℃ 稼働20分後29.6℃ やっと20℃台の温度になりました。
稼働30分後28.8℃です。少しずつですが温度が下がってきていますのでもう少し検証を続けます。

稼働40分後27.5℃ 稼働50分後26.9℃ 稼働60分後26.6℃まで下がりました。
2台目スタート時の温度は31.6℃でしたので5℃温度が下がりました。

結論

サーバールームのエアコンが壊れた緊急事態にスポットクーラーで、
部屋を冷やすことが出来るのか。

そんな状況を再現する為に倉庫の小部屋【広さ:5.4㎡(約3.5畳)】で
サーバールームを再現しスポットクーラーで部屋を冷やしてみました。

開始時室内温度は37.4℃→1時間後31.6℃
1台稼働したらスタート時より5.8℃冷やす事が出来ました。

スポットクーラーで部屋を冷やすことは出来ました。

しかし、1時間稼働してもエアコンを使用しているような温度までは下がらなかった為、
2台目も稼働して検証をしました。

2台目スタート時の温度は31.6℃ 1時間後は26.6℃と2台目を稼働してから
5℃サーバールームを再現した部屋の温度が下がりました。

1台目1時間、2台目1時間、合計2時間稼働して下がった温度は10.8℃でした。
26℃台まで下がるとエアコンを使用しているような快適な空間になりました。

今回のサーバールームを再現した小部屋の広さならば、
2台のスポットクーラーを使用すればエアコンのように部屋を冷やすことは出来ます。

今回検証した部屋は気密性が高くない部屋でした。
気密性の高い部屋であればもう少し効率的に部屋を冷やす事が出来ると思います。

このように建物の構造、窓の向きなどによって部屋の冷え方は変わってきます。
今回の検証内容を参考にしていただき、建物の構造や環境などで台数をお選びいただければと思います。

スポットクーラーは季節の商品です。
保管場所や使用頻度などを考えて購入よりレンタルがおすすめです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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